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2004.04.18

日本一遅い『てるてる家族』を観た感想

NHK朝の連続テレビ小説『てるてる家族』が最終回(3月27日)をむかえました。
自分(主宰のほう)が真剣に朝ドラを見たのは、『ほんまもん(H13年10月1日~ H14年3月30日)』以来です。

はじめは主演の石原さとみさんを観るのが目的だったのですが、ドラマ自体が面白くはまってしまいました。
少なくとも『ほんまもん』よりも作品の出来が良かったです。『ほんまもん』も主演の池脇千鶴さんを観るのが目的でしたが、本当にそれだけの目的しか達成できませんでした。。。

朝ドラというと、「ヒロインである女性の成長がテーマ。売り出し中の新人が主演(ヒロイン)。ヒロインの出産シーンがたいていあり、子育てシーンは結構無理がある。『苦労』という言葉が全体を包んでいる」といったイメージなのですが、間違っているでしょうか?

そんなイメージと違い『てるてる家族』は、家族の愛がテーマで、ミュージカルシーン(朝ドラ初)があり、全体として明るく楽しい雰囲気です。もちろん家族それぞれの思いが重なりあいドラマが生まれ、ジーンとくるシーンがたくさんあります。観ると必ず暖かくなれます。

普通のドラマでは省略されがちな日常の挨拶をあえて多用し、家族という存在にリアリティを感じさせてくれます。
ドラマの中で「おはようさん。サン、サン、さ~ん」という挨拶が出てくるのですが、観ているこちらも元気にしてくれます。
出演者自らが歌うミュージカルシーンは、歌のうまさを見せるというよりは、やや音程がはずれる感じで、歌う楽しさを見せてくれました。

特に心に残るエピソードは2つ。一つは、次女の夏子が本格的に歌手を目指す為上京する件(くだり)。もう一つは、ヨネおばあちゃんとの永遠の別れ。(2つのエピソードは下の方で紹介しますので、ドラマをご覧にならなかった方は参考にしてください)

またキャスティングがすばらしく、それぞれの個性がうまく絡み合い、アンサンブルの良さを感じさせます。大阪発の朝ドラですが、『ほんまもん』のように吉本の芸人さんに占領されることがなかったので出演者にコテコテの大阪臭さがなく、すっきりしているのもよかった点です。
さらに出演者の持ちネタもうまく盛り込まれていました。例えば、佐藤通夫という五月山のお大尽を演じる大村昆さんがオロナミンCのCMのアノ表情をするシーンがあったり、その通夫の孫で浪利役の杉浦太陽さんがウルトラマンに変身しそうな動きを見せたりします。
夏子のモデルとなったいしだあゆみさんも、夏子が営業でやってきたクラブで歌うベテラン歌手の役で登場しました。いしださんの圧倒的な存在感。ブレのない言葉。本人が歌う「ブルーライト・ヨコハマ」は鳥肌が立ちます。

自分は週末にまとめて観ていましたが、その時間ずっと、笑い、泣き、感動してしまいました。オンタイムで観ることができる日は、ワクワクしながら必ず観ていましたし、週末が待ち遠しかったです。
朝ドラは、日曜以外の毎朝と毎昼(再放送)にやっているのですが、これくらい気軽に観れる作品がいいですね。『こころ』も中越典子さんが主演ということで時々観ていましたが、全体的に重い感じがして毎朝観るにはどうかと思いましたので。

こんなにいい作品なのに、視聴率が低いというのは残念です。『低視聴率=できの悪い作品』とNHKの方には結論づけてほしくないですね。BS放送に視聴者がシフトして視聴率が低くなっているということになっているそうですが・・・。
去年の暮れ、NHK「もう一度見たいあの番組 リクエストランキング総合1位」になった『ちゅらさん』の総集編を観ましたが、『ちゅらさん』にも勝るとも劣らない作品だと思います。『ちゅらさん』は総集編だったので完全版はもっといい作品だと思います、もちろん。
ちゅらさん 完全版 DVD-BOX』がありますが、是非『てるてる家族』の完全版も出してほしいですね。NHKドラマへのご意見・ご感想あたりにリクエストすればDVDが出るでしょうか。

そして最後に、『てるてるパン』食べたい!

■夏子が上京するエピソード

母の照子は大賛成だが、父の春夫は、夏子の上京に大反対。
「おとうちゃんが反対しても、私は行く!」と言う夏子を、ヨネが自分の部屋に呼びます。そして、夏子が幼い頃佐世保で肺炎にかかったとき、春男からヨネに宛てた手紙を読ませます。
医者に何としても夏子の命を救いたいと懇願する春男と照子。大金を投じ何とか命が救われ、夏子の寝顔を観て安堵する二人。そして当時流行のセンチメンタルジャーニーのBGM。
手紙を読み終わった後に、ヨネは「あんたは勝手に生きてきたわけとちゃいますねん。これからも勝手に生きる思うたらバチあたります。それだけは絶対に忘れたらあかん」と。

春男とまだ仲直りできていない夏子。心配した春子は気分転換にと夏子を連れて歌声喫茶に。一緒について行きたかった冬子は店番。そして歌声喫茶の雰囲気を楽しむ夏子。店番をしながら冬子は歌声喫茶の人が言っていた「ここで歌えば、みんな仲良くなれる」という言葉を思い出し、必死に春男を歌声喫茶に引っ張っていきます。
冬子と春男が着いたとき、折しも夏子の歌声を聴きたいと大阪にやってきたプロデューサーの為に、何か歌おうとしている時だった。春男の姿に気がついた夏子。そして春男の方を見ながら歌い始めたのは、センチメンタルジャーニー。。。呆然とした表情でその歌を聴く春男。そして無言のまま肩を落とし歌声喫茶から出ていってしまいます。

夏子と照子が家に戻りプロデューサーと向かい合っている。その様子を見ている冬子と春子。
プロデューサーは「東京で夏子さんを待っています。お父様にも挨拶をしたかったのですが・・・。もしかしてお父様は反対なさっておいでなのでは?」 」と。そこに春男がやってくる。緊張する一同。
春男は、パンの紙袋をプロデューサーに突きだし、「あの、これは、私が作ったあんパンです。酒種から作りました。銀座あたりのパンと比べたらおいしくないかもしれませんが・・・」と。
パンの紙袋を受け取ったプロデューサーの手を握りしめ、声を振り絞るように「娘を、夏子を、よろしゅうお願いします、お願いします、お願いします、、、」と繰り返し、頭を下げる春男。。。

夏子が出発の日、外は雨。
春男は歩き出した夏子を呼び止め「持ってき」と家族の写真を渡し、抱きしめる。
そして無言で夏子の背中を押し、出発させる。夏子はその写真を抱いたまま振り向かず歩き出す。。。


ヨネの「勝手に生きてきたわけとちゃいます」という言葉。冬子が春男と夏子に仲直りをしてほしいという思いからの行動。春男の娘を思う気持ち。職人気質で多くを語らず、実直な姿。それぞれの思いがうまく絡み合っているエピソードでした。

■ヨネとの永遠の別れ

だんだんと食が細くなり入院をしたヨネ。ベッドに横になりながら夏子のテレビ出演を何よりも楽しみにしています。
病状は好転せず、いよいよ最期を迎えます。東京にいる夏子以外集まった家族と親戚。夏子に会いたがっていたヨネを喜ばせようと、春男の妹滝子は冬子を夏子になりすますよう提案します。周囲は驚きましたが、「おばあちゃんが喜ぶんやったら、何でもやるわ」と冬子は引き受けます。

夏子が戻ってきたと告げると、ヨネは目をつぶったまま夏子の名前を呼びます。夏子のふりをした冬子が近づき手を握ります。
「夏子?・・・夏子か?」
「おばあちゃん、夏子やで・・・」と冬子はいいます。
「夏子・・・東京は・・・寂しないか?」と東京の生活を心配するヨネ。
「あんたは、強い子や・・・そやから、無理したら、あかんよ。・・・春子・・・春子はいてるか?」
次に春子を呼びます。
「あんたは、きれいな子や。・・・スケートやめたかて、きれいな人になったらええんやで」と声をかけます。
そして秋子を呼びます。
「秋子。あんたは、優し子や・・・。自分を大事にせんと、あかんで・・・」

「冬子・・・冬子は、いてるか?」
夏子になりすまして手を握っている冬子は、冬子として手を握ろうにも握ることができません。すると、
「冬子やな。この手ぇは、冬子やな」
「そうや!冬子や!、ここにいてるで、おばあちゃん!」と握ったままの手を、あらめて強く握ります。
「冬子・・・あんたは、楽しい子や・・・。どこにいてても、きっと、楽しい生きられるはずや。自分の『ツボ』、見つけるんやで・・・」
「ツボ?・・・あたしの、人生のツボやね?」
冬子の目からはポロポロと涙がこぼれ落ちます。
「そのうちな、ちゃんとわかるよってに・・・。みんな・・・おおきに・・・。おかげで・・・楽しかったわぁ・・・ありがとさーん・・・・・・」
そう言いながら微笑み、やがて息を引き取ります。
号泣する冬子、春子、秋子。そして春男と照子も泣いています。

・・・そして若い頃に死に別れた春男にそっくりの夫の長介が燕尾服でヨネを迎えます。「ラストダンスは私に」を歌いながら楽しくダンスを踊るヨネと長介。


実はこの病院の最期のシーン、原作とは違います。原作を読んだ方は、「冬ちゃん、良かったね。本当に良かったね」と思わず言ってしまうのではないでしょうか。さらにドラマでは宝塚の入学式におばあちゃんが出席してくれましたし。
ここら辺の違いが『てるてる坊主の照子さん』と『てるてる家族』の二つをあわせた『てるてるワールド』という世界の奥深さだと思います。原作以上のドラマであり、原作は原作でしっかりとした世界があります。
そして、「ラストダンスは私に」のダンス。悲しいだけで終わらない『死』のシーン。こういったシーンが作り出せるというのは、しっか時間をかけて真剣につくっているという証拠だと思います。

■すっかりはまったのでこんなものも買っちゃってます。

てるてる家族のてるてるぱん・レシピ集
全大阪パン協同組合
ムック: 93 p ; サイズ(cm): 26
出版社: 辰巳出版 ; ISBN: 4777800059 ; (2004/02/10)

てるてる家族―連続テレビ小説 (総集編) NHKドラマ・ガイド
てるてる家族―連続テレビ小説 (総集編) NHKドラマ・ガイド

なかにし 礼, 大森 寿美男, NHK出版
単行本: 95 p ; サイズ(cm): 26
出版社: 日本放送出版協会 ; ISBN: 4149235414 ; 総集編 巻 (2003/11)

てるてる家族―連続テレビ小説 (前編) NHKドラマ・ガイド
てるてる家族―連続テレビ小説 (前編) NHKドラマ・ガイド

なかにし 礼, 大森 寿美男, NHK出版
ムック: 111 p ; サイズ(cm): 26
出版社: 日本放送出版協会 ; ISBN: 4149235406 ; 前編 巻 (2003/09)

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コメント

はじめまして。
「てるてる家族」
というのに惹かれて参りました。
良かったですよね!
朝の目覚め、あの明るいテーマソングは、ウキウキ出来ました。
でも、一応「時代もの」なので、次に~は難しいですね。
BSの方で、再放送が始まった「あぐり」も好きでした。
野村萬斎さんのこれの演技は大好きです。

「天花」は、何を言いたいのかがさっぱりわからない
ドラマになってしまいました。方言も使えばいいと
言うモノではありません。
DVD化の件ですが、視聴料取ってるNHKですが、
何も言ってやらないと、何もしない感じも有りなので、
要望を届けることも大事だと思いますよ。

投稿: こさっとある | 2004.10.20 13:59

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