サヨナラ、学校化社会 を読んだ
この本は発売当初の2002年に購入し、そのまま本棚にしまってありました。いわゆる積ん読ですね。
購入当時は、社会学の本を読みたいという欲求があり、フェミニズムの方の考えについて知りたいということがありました。そこで「スカートの下の劇場」で有名な上野千鶴子さんのこの本を購入しました。
買ったのはいいのですが読む機会がなく、いままでほったらかしになっていました。
そしてようやく読むことが出来ました。きっかけは、書店にも本棚にも読みたい本が全くなくなってしまったから。在庫整理ということですね。
この本で上野氏は、ご自身の体験に基づいた「脱学校化社会論」を展開します。
学校が「偏差値一元主義」であり、そのことは共通一次の頃から変わりませんが、その「偏差値一元主義」という学校的価値観が、社会や家庭にもあふれ出していると上野氏は説きます。一元的なモノサシしかないため受験の敗者にコンプレックスが生まれるのは勿論のこと、勝者にも勝ち続けなくてはいけないというプレッシャーやストレスがたまる社会になっていると言っています。
これが世の中にいろいろなモノサシがあれば、偏差値では勝敗がつくが他の分野で力を発揮できるということが出来ます。
そして最後に、自分が気持ちいいと思えることを求め、今を精一杯楽しく生きることだと語りかけます。
「好きなことをして楽しく生きよう」というメッセージは世の中にあふれていますが、この本では「何故、誰もが楽しくないのか」というところから始まり、何を経験すればいいのかを教えてくれます。
切れ味のいい明快な語り口で、今の世の中を鋭く(時に優しく)斬っていきます。
ヘタなキャリア論の実用書を読むよりも、この本の方が役に立ちます。
学歴コンプレックス(勝者でも敗者でも)があり、これから世の中に出て行く人に読んで欲しい本です。
サヨナラ、学校化社会
上野 千鶴子
価格:¥ 1,838(定価:¥ 1,838)
単行本
出版社: 太郎次郎社 ; ISBN: 4811806662 ; (2002/04)
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